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院長コラム 2018年8月

与うることの取ること為(た)るを知るは、政(まつりごと)の宝なり

史記の「管氏」牧民篇に書かれた管仲の言葉です。
管仲は、斉の桓公に仕えた名宰相で、管仲なしでは桓公は覇者にはなれなかったと考えられています。

さて、表題の言葉の意味ですが、 「人に与える事は実は自分が取る事になる、これを知るのが政治の秘訣である。」という意味です。

政治や商売ならず、社会生活において、自分の利益が優先してしまう事は多いと思います。
自分の為にならない事や利益がない事はしたくない、というのは誰でもしたくはないものです。

でも、それは相手も同じですから、まずはこちらから相手に与えてみない事には物事は進んでいかないのも現実ではないかと思います。

この言葉を聞いて私が思い出した本があります。

ジョー・ヴィターレ著のお金持ちの法則「豊かさは、与えたものに比例する」という本です。
内容としては、見返りを期待せずに与える事によって、豊かになる事が出来るといった趣旨です。

ロバート・B・チャルディーニの著書「影響力の武器」の中に、「返報性の原理」という原理があります。
何かをして貰うと、そのお返しをしなくてはという心理が働くという原理です。

だから、まずは与える事で、そのお返しを期待できる。。。と、ジョ―・ヴィターレの本の意味を取る事も出来ますが、必ずしもそれだけではないと思います。

以前、この本を読んだ後に、5万円を寄付した事がありましたが、その直後に購入したサッカーくじで11万円当たったという経験をした事があります。その他に買った時には当たった経験はありません。

つまり、与えた相手から直接帰ってくる事もあるのですが、別の所から見返りが帰ってくる事もあるのだと思います。

この考えは、医師としてやっていく上で基本的な考え方となっているものです。

患者様に対する時のみではなく、勤務医として働くときにも、常に考えてきました。
患者様により有益な治療は何か。勤務した病院がよりグレードアップする手段は何か。

自分の利益のみを考えた場合、短期的な利益は出ても長期的には継続できないというのが世の常であるというのが私の考えです。

管仲も、「斉を長く繁栄させる為には、まずは民に与えるという事をしていかなくてはいけない」という事を桓公に言いたかったのではないかと思います。


管仲が言った言葉で他に有名な言葉は 「倉廩実ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱を知る」 があります。この言葉は「衣食足りて礼節を知る」となって知られています。

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