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院長コラム 2020年5月

出雲大社広島分祠に行ってきました。

 
出雲大社広島分祠
〒735-0004 広島県安芸郡府中町山田5丁目4-1



以前から出雲大社自体には何度か行って居ます。
広島から出雲までは、高速を使えばそれ程遠い訳ではないのですが、なかなか頻繁に行くという訳にはいきません。

先日今昔マップというサイトを見つけて、広島の昔の地図と今の地図を比べて、昔の風景など思い出しながら楽しんでいた時に偶然、「出雲大社広島分祠」という記載を見つけました。

え?広島に分祠があるの? 知らなかった。。。

この場所であれば、自宅からでも遠くは無いので、行ってみる事にしました。
安芸郡となってはいますが、広島駅から車で15-20分程度の距離です。

最初は住宅街の中を登っていきますが、途中からは住宅が無くなって舗装された登り道を上っていきます。
公共交通機関を使っては行きにくい様に思うのですが、車で行くにしても数台分の駐車スペースがある程度なので、初詣などで参拝者が多い時はどうしているのか。。。



手水舎と並んでそびえ立つのは、大きな鳥居です。
出雲大社の参道入り口にも大きな鳥居がありますが、ここの鳥居も大きいです。




鳥居を潜って階段を上っていくと建物がありますが、、、拝殿ではありません。
ここは拝殿の裏の入り口といった感じでしょうか。



建物の右手にある階段を更に上がっていくと、拝殿があります。
拝殿の上には、出雲大社名物の巨大注連縄がデーンとあります。

両脇には、お札などを買える所があります。
巫女さんもチラホラお見掛けしましたので、昼間であればお札やお守りを頂けると思います。


出雲大社では、拝殿・御本殿の周りを反時計回りに回るという参拝の仕方がありますが、ここでも「おにわふみ」という回り方がある様です。

説明看板によりますと、
「おにわとは、大国主大神のお住居の庭である御神域のことです。 この御神域を踏むことを、おにわふみと申します。 順路にしたがい、おにわふみによって、明るい希望を見出され新しい生きる力をお頂きくださいませ。」
と書かれています。


出雲大社では、順路に従って行くと一番奥にはすさのおのみことを御祭神とする素鵞社(そがのやしろ)がありますが、ここでは、一番奥にご本殿があります。



出雲大社広島分詞は、山の上とはいえ広島市内からのアクセスは容易な場所にあるのですが、周囲には殆ど建物もなく、とても静かな環境にあります。
出雲大社に負けない位の神聖な雰囲気を持っていると感じました。

晴天の日に行った事もありますが、広島市内の眺めもとてもきれいでした。
行くと心が洗われる感覚を覚える場所でした。

久しぶりに血栓回収術を行いました。

 以前から月1回程度、救急病院へ当直に行って居ます。

最近はコロナウイルスの影響で、各地の病院や診療所で受診患者数が減っていますが、怪我や病気など本当に治療が必要な時は、受診は絶対に必要ですし、医療機関では一般患者様とコロナ感染が疑われる患者様は分けていますので、受診をした事で感染する確率はかなり低いと思われます。

まあ、発熱や咳嗽で脳外科を受診される患者様は居ませんので、脳外科受診で感染する可能性はほぼないとは思われますが。

ウイルス

それはさておき、先日当直していた早朝に98歳女性の救急受け入れ依頼の連絡が入りました。

いつもはキチンと歩いていて、会話もキチンとしている女性が深夜になって会話が成り立たなくなったとの事でした。

発熱は無い様でしたが、高齢者の場合は肺炎などで発熱が遅れて出てくる事もあるので、「肺炎での意識状態の悪化だったら困るなぁ。。。でも脳梗塞も完全には否定できないしなぁ。。。」と思いながら受ける事としました。

ちなみに、夜間は「脳神経外科輪番」ですので、肺炎含めて内科疾患疑いを積極的に受ける必要はありません。


来院時にはやはり発熱はなく、手足の麻痺もないのですが、発語なく、言語理解もほぼ出来ないので、失語症が出ていると考えられました。

麻痺がないのが気にはなりましたが、明らかな失語なので、脳梗塞の可能性が高いと考え、MRIを行ったところ、左脳の2/3程度を栄養している中大脳動脈が閉塞していました。
しかし、脳梗塞は現状ではほとんど出ていませんでした。

悩む家族
98歳という超高齢者ではあるのですが、年齢を考えなければ、血管内手術による血栓回収術の絶対適応とも言える様な状態です。

元々の生活レベルも良く、このまま血栓回収術をしなければ、少なくとも失語症は残ると思われます。
今後麻痺が出てくる可能性も無いとは言えません。

超高齢者である事を考えれば、一旦脳梗塞が出て症状が確定してしまえば、リハビリによる回復はなかなか厳しいものとなります。

反対に、手術も合併症の危険性もあり、高齢者であれば危険性も若い人よりは高いと思われますので、手術をする事で逆に致死的になる可能性もゼロではないです。

迷いもありながら、ご家族に話をしたのですが、ご家族もかなりどうして良いか迷われて決めかねて居られました。

他の手術であれば、じっくり考えて頂く時間はあるのですが、この手術に関しては一分一秒でも早く再開通させることが今後の予後を決めてしまいますので、いつまでも待つことは出来ません。

「余り無理をしないという事で、手術しませんか?」 と、ご家族に話をして血栓回収術を施行する事としました。

手術自体は、やはり超高齢者である為動脈硬化が強く、かなりカテーテルが上がりにくかったのですが、何とか再開通をさせる事が出来ました。

この手術含めて血管内治療はもう1年以上行って居なかったので、手が動くか心配だったのですが、特に問題なく終える事が出来ました。

術直後には、術前よりは覚醒状態は改善していましたので、再開通の効果は出ているかと思われました。
MRIの再検査の結果を見ないと判りませんが、再開通しなかった場合よりは明かに脳梗塞の範囲は少なく済んだと思います。
やはり高齢者ですので、脳へ血が足らなかった状態が続いた影響からの回復には時間がかかると思われます。


脳血栓回収術に関して

・血栓回収術とは血管の中からカテーテルを用いて、動脈を閉塞させている血栓を取り除いてしまう手術の事です。

・脳の太い血管を閉塞させる様な血栓の原因としては、心臓からの血栓、特に心房細動からの血栓が多いです。
いったん脳の主要血管の閉塞を起こすと、血栓回収術を行っても脳梗塞を全くなくする事は出来ませんので、元通りになる事は期待できません。
やはり、血栓症予防(ワーファリンやイグザレルトなどの抗凝固剤の内服)で、脳動脈の閉塞を起こさない事が重要です。

・不幸にして起こってしまった場合は、出来るだけ早期に血管内治療が出来る施設を受診(通常は救急車での搬送)をする必要があります。
時間が経過すればする程、回復のレベルが悪くなると言われています。

・広島市では救急隊は兵庫医大の吉村教授が作られた、JUST Scoreという物を用いて、脳卒中患者の搬送先の選定を行って居ますので、血栓回収術が必要な患者様は施行できる病院に搬送されるシステムになっています。(ただ、通常は脳の主要血管の閉塞患者様は赤に分類されるはずなのですが、今回の患者様は運動麻痺がなかった為か、可能性が高くはない黄色判定になったそうです。)

・これまでの経験から、脳主要血管閉塞に対して血栓回収術を行い、再開通を達成できた場合の患者様の回復に関しては、直後から動かなかった腕や足が動き始めたり、数日後には自分で食事をしていたりと、再開通できなかった場合よりは良好な経過を取っている様に思います。


いつも講演会では言って居るのですが、言語障害や運動麻痺など脳卒中が疑われる症状が出た場合は、様子を見る事なく、直ぐに脳神経外科や脳神経内科が常勤で居る病院を受診して頂きたいと思います。

血栓回収術正面像
正面から見た画像です。矢印部の血管が閉塞していましたが、施行後は写っています。

血栓回収術。側面像
側面から見た画像です。丸印内の血管がありませんが、施行後は写っています。

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