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院長コラム

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眩暈感、食思不振で発症したくも膜下出血

くも膜下出血と言うと、大抵は頭痛、嘔気・嘔吐で発症します。
頭痛も「ハンマーで殴られるような痛み」「いままで経験した事の無い様な痛み」と表現される様な強い痛みを来しますので、その様な頭痛が突然起こった場合には、直ちに脳神経外科のある病院の受診が必要となります。

くも膜下出血を起こした患者様の多くは、頭痛と共に嘔吐を来しますので、大抵は救急車で来院をされますが、時折外来へ独歩来院される患者様も居られ、中には頭痛が1週間前からあると言われる方もいます。
救急車

その様な場合でもよく話を聞くと、「頭痛がし始めた頃には何度か嘔吐をした」と言われる事が多く、急に発症した頭痛で、嘔吐を伴う場合には「くも膜下出血」を考えておく必要があります。

頭痛があるからと言って内科を受診して、頭痛薬を出されて経過観察されるというくも膜下出血の患者様は決して少なくはないのですが、くも膜下出血の初回破裂時の死亡率は30%、再出血時には50%と言われており、決して経過観察をしていい病気ではないのは言うまでもないでしょう。

頭痛が続くという場合は、一度はキチンと脳外科などでMRIを行っておく必要があると思います。


さて、ここからが今回の話です。

先日、近隣の内科の先生よりご紹介を頂きました。
眩暈で来院された60歳台の患者様で、通常の眩暈だと思いますが、念のための精査をお願いします、との事でした。

勿論独歩で来院され、主訴はふらつきと、目の奥の重い感じと、食思不振のみです。頭痛はありませんでした。
特に神経症状もなく、やはりただの眩暈かなと思いながらMRIを撮影しました。


しばらくして放射線技師が「くも膜下出血です」と連絡してきたのですが、私は「脳梗塞」の言い間違いか、聞き間違いかと思いましたが、画像を見てみると、何と本当に「くも膜下出血」でした。更に動脈瘤も2つ疑われました。

患者様はその後高次機能病院へ搬送し、手術を受けられたので、問題はなかったのですが、これ程「非典型的」なくも膜下出血は初めて経験をしました。

「頭痛」の訴えも、「嘔気・嘔吐」の代わりに、「目の奥の重さ」と「食思不振」が症状ですから、「くも膜下出血」を想定しようがありませんでした。

しかし、それでも何も検査をせずに再出血をして死亡したり、後遺症が残ってしまえば、患者様やご家族からは、批判の対象にされてしまう可能性もありますので、本当に怖いなと思います。

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